パリ考察


 朝食を済ませると重たい荷物を持ってフロントに行きチェックアウトをする。部屋の冷蔵庫を使用した事を告げると、分かっているとの事で40FFの請求だった。50FFで10FF貰ってさあと思ったときにふと、夕べ、送信メールは出来ていないが、しばらくメールチェックをしていないので受信をするために電話を使用したのである。メールが12通来ていたのと、ついでに日本のニュースを見るためにニュースサイトを少し見て回ったのでそれなりの時間使用しているはずなのだが・・。「夕べ、電話を使ったんだけど。」と言ってみると、フロントのお兄さんはパソコンの画面をチェックして、「OK、12FF」と言った。僕が言わなかったら、この12FFはどうなっていたんだろう・・・。「メルシー!」と最後に大きな声で告げると、向こうからも「メルシー!」と元気な声が返って来る。ホテルを後にすると東に向かう。駅に行く前にちょうど木曜日で大きなマルシェがあるらしいので、そっちに向いて歩き出した。ちょっと回り道になるが、それでも3kmは無い。しかし、マルシェの近くに来ると、さすがにばててきていた。背中の荷物は30kg弱ある。ベンチで一休みするとマルシェ の通りを確認して覗きに行く。結構楽しそうである。この荷物さえなければ。(^^;
 マルシェの場所から目指す東駅まではメトロで3駅である。しかし、メトロの駅間は歩いても5分くらい、ひどいところでは2分ほどの所もある。そんなわけで荷物が重たいな〜と思いながらも歩く事にした。
 やがて列車の出る東駅についた。列車の時間まであと2時間ほどである。


 パリを離れるに当たり、パリの総まとめをしておこう。僕にとってはパリは合わない街であったが、楽しい街である事は確かだ。石造りの建物がたくさん残り、あまり写真を撮ると後が大変と思いながら4本撮ってしまった。(^^;


 僕流にパリをまとめると・・・

 

楽しみたい人へ

 お金を沢山持ってくる事。確かにリドは楽しかった。ガイドブックに載っている一流のレストラン等も楽しいに違いない。目一杯のドレスアップをして一流のサービスを受ける。お金を出して通訳を雇って一緒に行けば単純に楽しめるだろう。多少の英会話が出来れば通訳も必要ない。ショッピングもブランドの店は沢山あるし、日本人相手の店もいっぱいあるから、買い物をするのは苦労しないだろう。店員の上手なお世辞に顔をほころばせながら買い物をするのも楽しいと思う。


 間違えないで欲しいのは、それがだめだと言っているわけでは無いのだ。現実にそうやってお金を沢山落としてくれるお客さんの方がありがたいのだから。僕のように歩き回るだけでほとんどお金を落とさない人間はありがたくないのだから。そして、パリは観光客までもが芸術的なパリを作る一部分なのだ。一流の人にはそれなりの楽しみが味わえる。そしてお金を持っている人にも・・・。
 だいたい、フランス人達もそうやってパリを楽しんでいるのだ。お金を沢山落とすのは日本人だけではないのである。お金を沢山使う日本人を見て馬鹿にしているのは、やっぱり日本人なのである。

 ただ、僕はそこの人達の生活が見えるような所が好きだ。パリでは残念ながらここに住んでいる人達の生活を感じる事は出来なかった。そして大きな目的はルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿、その他街並みなどで歴史を感じる事であった。しかしパリはすでに歴史を刻むのではなく、新しい文化を築き上げている。今はもう来たいとは思わないが、いつか別の形で楽しむ旅行に訪れる事があるかも知れない。

 ひとつだけ、白状しておくと、パリでスリや置き引きには会わなかったが、裏通りからルーブル美術館の中庭に抜ける公園に入ったとき、黒人が近付いてきてボードに挟んだ黄色い紙を差し出す。「No!」と言って去ろうとすると追いかけて、「You aer Japanese? OK, English, OK!」とか言いながら前に回りこむ。手を振って横をすり抜けようとすると、「ユニセフ、アフリカ、ルワンダ、OK?」と言う。もう一人の黒人が出てきて、ファイルに挟んだユニセフのマークの入った書類を見せる。初めに差し出された紙にもユニセフの印があった。「ユニセフ、ショメイ、OK?」という。ユニセフの名前が出てきたのと、署名くらいならと思い、渡されたペンを取ると、「イングリッシュネーム、ジュウショ、ジャパニーズネーム・・・」とひとつずつ指差しながら僕が書いていくのを見ている。最後の欄を指差しながら、「ワン・オー・オー」と言う。何の事だろうと首をかしげる。(ここでわかったあなたは大丈夫です。)また「ワン・オー・オー」と言う。言われるままに1、O、Oと書くと・・。「アリガト、ワン・オー・オー、ネ。アリガト。」「???」僕が反応を示さないと、「ワン・オー・オー、キフ、アリガト。」と言われた。やられたと思ったものの、3人の黒人が僕を囲んでいる。まあ、何かをされるという雰囲気は全然無かったが、結局、100FFを渡してしまった。つくづく、自分が日本人だな〜と思ってしまう。でも、署名してい た中には日本人は僕が初めてだったのと、紙が結構ちゃんとした物だったので、あの中のいくらかでも本当にユニセフにいく事を信じておこう。(^^)


 わずか3日間しかいなかったのに、結構、充実した時間を過ごした。しかし、疲れた3日間でもあったが。どっちにしろ、すごい街であった。でも、こんな疲れる旅行をするつもりは無かったはずなので、ドイツでの5日間はゆっくりしようと思う。

 さて、列車が発車するまでにどうやって電車に乗るのかを確かめなくてはならない。



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