シュトックホルン


 朝起きると、雲ひとつ無い日本晴れ(?)である。部屋からマッターホルンの頭がはっきりと見える(右写真)。昨日がきつかったせいもあり、今日は山岳列車とロープウエイを使って標高3407mのシュトックホルンへ行く事にした。お義父さんは今日はそんなに歩かないという事で普通の靴で来ていた。僕と息子は一応、登山靴を履き出発。昨日と同じ駅で、今度は往復のチケットを買う。列車に乗り込み向かい合わせの席に座る。すごい晴天のせいか、昨日よりいちだんと人が多い。途中の駅で乗ってきた日本人家族が小さな女の子を二人連れていたので、席を譲ろうとすると、ひとつ空いていた席に息子二人を座らせて、お母さんは立っていた。話を聞くとマイエンフェルトのハイジロードに行って来て、この後はグリンデルワルトに行くという。日数が違うが、コースはまったく同じだ。マイエンフェルトでは雨にたたられて上には登れなかったとの事。この後も個人で来ている家族連れの人と話をする機会があったが、同じコースだった。みんな、選ぶ所は一緒だな〜とつくづく思った。
 ゴルナーグラート駅に着くと、さっそくシュトックホルンへ向かう。昨日、展望台の向こうに見えていた乗り場がそうだろうと、少し離れているがそっちの方へ歩いて行った。



 このロープウエイの駅までの道がきつい。ガイドブックではそんなにあるようには思えないが・・・・と思いつつ、20分ほど歩いて初めて気がついた。そう、僕達が目指している駅は、行った方の駅なのだ。後ろを振り返ると、さっき降りた駅の裏に隠れるようにしてロープウエイの駅がある。しまったと思ったが、もう引き返す気はしない。北側斜面には雪の残るハードな道をひたすら進んだ。帰りはロープウエイで帰れるだろうから、今だけだと思って。
 1時間ほどのハイキングが終わり、駅に着いてみると、そこは乗換えで、目指す氷河はまだそこからロープウエイに乗り継ぎをしなくてはならない。しかし、ここまで訪れる人はあまりいないようで、人はまばらだった。チケット売り場を探すが、無かった。すると、一人の人が声をかけてきた。ロープウエイの係りの人だった。この人からチケットを買い、さらに先に進むロープウエイに乗る。やがて氷河の一番上が見えてくる。壮大な景色が目の前に広がり、圧巻される。しかし、ここまで来る人はほとんどいないようで、僕たちともう一家族しか乗っていなかった。

 見えている建物がロープウエイの乗り場。向こうにマッターホルンが見える。昨日とは全然違い、本当に澄み切った青空。ため息が出るようなその景色は、ただただ、素晴らしいの一言に尽きる。360度、ここまで来た人だけが見る事の出来る、本当に素晴らしい景色だ。

 さて、ロープウエイに乗った僕達はさっきの中間駅目指して帰る。しかし、そこからゴルナーグラードまでのチケットを持っていないので、ロープウエイに乗っている係りの人に聞くと、「あなたの足で降りなさい。それはグッドだ。」と言って、「降りる方は運行していない」と言われた。そう、またあの険しい小1時間の道のりを歩いて帰らなければならないのだ。一緒に乗っていた外人さんの家族も、そのロープウエイに乗ってきたのに帰りは歩き出した。どうやら運行は片道だけらしい。仕方が無いのでまた来た道を下りだす。僕と息子はまだいいのだが、お義父さんは普通の靴のため、苦労を強いられる。雪の上は滑るので手をつきながらだが、手袋が無い。ここまでこようと思うと登山靴は必携である。
 今日は楽をしようと思っていたのに、結局、しんどい目をする事になってしまった。しかし、それは「行っただけの事はあった」のだ。あの素晴らしい景色は行った人間だけしか見る事が出来ないのだから。しんどさを差し引いても余りあるものだった。

 ゴルナーグラートの駅で昼食を済ませると、今回は列車に乗って下る。今度は楽なものである。(^^)

 街に下りた僕とお義父さんは息子を先にホテルに帰すと、日本語観光案内所に行った。翌日のスキーの情報や、10月にスイスに来たいという人から、現地の情報を聞いて欲しいとメールが入ったためである。


 ツエルマットの日本語観光案内所は分かり辛い。この写真の左側の路地を入っていった所にある、小さなマンションのような所の一室でやっている。
 この写真はツエルマット駅から向かったもので、分かりにくいが、入る路地さえ間違えなければ「日本語観光案内所」の看板が出ている。



 日本語観光案内所で聞いた、10月のツエルマットの情報である。

 との話であった。ご参考までに。

 スキーの話を聞く。

 との話であった。いろいろ考えた結果、そこまでして滑る事も無いな〜と思い、スキーに行くのはやめる事にした。
 明日、8月1日はスイスの建国記念日で、普段は家で食事をする人が大勢、レストランで食事をするので、可能ならホテルで夕食を頼んでおいたほうがいいとも教えてくれた。パレードもあるとの事なので、昼はゆっくり街中の散策をして夜はレストランでディナーを頼もうという事になった。
 ホテルに帰り、フロントで明日のディナーの予約をする。結構、混んでいるみたいで、予約表を確認してからOKが出た。メニューも予約になるが、どれにするか聞かれる。その時、フロントのお姉さんは、ひとつのメニューを指差し悩んで、「英語でなんていうか、分からない。水の上の鶏なんだけど・・」とこっちを見る。僕は「水の上の鶏」がてっきり料理の方法だと思ってこの時は気づかなかった。するとそのお姉さんは奥のスタッフに聞きに行った。ドイツ語圏なので、この人の話している英語も勉強の成果なのだ。改めて英語が母国語ではない事を感じる。帰ってきたお姉さんは、「ダッグ」と言った。そう、アヒルだった。その料理を注文すると、部屋に帰り、この日は質素にコープで買って来た食料品で夕食にした。



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