ケルン


 実はケルンの街での観光と言うと、唯一、中央駅の前にそびえる大聖堂だ。周りにある近代的なビルも大聖堂の威厳に敬意を払うように3分の1くらいの高さしかなく、堂々たる姿は「はぁ〜」としかいいようがない。

 場所は本当に中央駅のまん前なのだ。その姿は圧倒される。駅前広場からだと見上げるようになるため、壮観な眺めである。

 大聖堂の中を見学すべく入るが、丁度日曜日だったために、教会の中はミサが行われていた。このミサが終わるまではこれ以上は入れない。
 アメリカにホームステイに行った時、ホストファミリーに連れられて、毎週日曜日は教会に行っていた。神父さんの話等、1時間以上はゆうにかかっていたので、このミサも長いだろうな〜と思いながら見ていた。息子とお義父さんは退屈して途中で外に出て行った。
 実は、僕は賛美歌と言うのが大好きなのだ。あの清らかな響きを聞くと本当に心が洗われるような気がする。このミサでも聖歌隊がいて、美しい歌声を聞かせてくれた。また、豪華なパイプオルガンの演奏も聞けて、よくもまあ、こんな日に当たったものだなとちょっと得した気分。
 ミサが終わると、教会の中の素晴らしいステンドグラスを鑑賞し、大聖堂の塔に昇って来た。

 大聖堂を見あげながら昼食を取ると、街へのショッピングに行こうと目抜き通りに行くが・・・・。そう、日本なら賑やかなところであるが、ここ、ドイツではほとんどの店がしまっている。完全に観光客だけを相手にしているようなお土産屋は開いているが、百貨店ですら日曜日は休みだ。
 仕方が無いので、中央駅の構内に行く。駅は毎日、列車が出入りしているので、中の店は日曜日でも開いている。しかも、ケルンのような大きな街の中央駅は結構なショッピング街を形成いている。写真は構内の八百屋さん。見ての通り、駅の中だとは思えないような品揃えだ。見ているだけでも楽しくなってくる。



 そろそろ次の宿泊地に向かおうと駐車場に向かうと、大聖堂前で大道芸をやっていた。息子が見たいというので、みんなで見学した。ドイツではいたるところで大道芸を見るが、音楽関係が圧倒的に多い。このような大道芸は少数派だ。


 時間はすでに14時半を回ったが、次の宿泊予定地、デュッセルドルフが近いため、時間的には充分である。街中に迷わず入る事が出来ればの話だが・・・・。
 デュッセルドルフに向かい、車を走らせる。途中のガソリンスタンドで、今度も何度も確認しながら燃料を補給する。(^^) 時計を見ると15時30分。その時、連れ合いがデュッセルドルフのインフォメーションが日曜日なので16時にしまる事に気がついた。目的地までは40kmほど。時速100kmで走れるにしても町の中心に入らなくてはならない事を考えると絶望的な時間である。しかも、ケルンを出る前にガイドブックを1つなくしてしまい、手元にあるガイドブックが唯一の情報源である。その中に載っている、とても安いホテルか、結構高いホテルにするか、迷いながらデュッセルドルフに入っていくと・・・・なんと、町のど真ん中、目抜き通りを通行止めにして催し物をしている。まあ、よく催し物に当たる事と思いながら結局、北側まで抜けて反対側に回り込んだ。インフォメーションはとっくに閉まっているので、周りのホテルを見ながら走る。「あっ、あのホテル、ガイドブックに載ってた。」と言ってエデンと言うホテルを見つけ、そっちに向けようかと車をわき道に入れると、目の前に別のホテルが。連れ合いが直接そのホテルに入って、料金の折り合いがついたので、 そこで泊まる事にした。

 荷物を運んで一息つくと催し物を見がてら夕食に出る。あっちこっちで移動式の舞台があり、ミュージシャン達だろうか、競うように歌い、その間に沢山の飲食店が並んでいた。ここで食事を済ませる事も可能ではあったが、息子がずっと「日本料理店に行きたい」と言っていたため、ジャパニーズレストランを探しに行った。
 実はこのデュッセルドルフという町は、ヨーロッパで一番、日本人が沢山済んでいる町なのだ。観光地ではなく、日本とヨーロッパの商業取引の中心地である。観光資源はほとんど無い。
 ガイドブックに載っているジャパニーズレストランがかたまっている通りに行くが、例によって日曜日、居酒屋とすし屋以外は定休日だった。うどんが食べたいという息子の欲求を満たすにはちょっと役不足である。連れ合いの「日航ホテルに行ったら絶対あるわ。」の言葉に従い、近くの日航ホテルへ。ありました、ベンケイという日本料理店が。店のスタッフも日本人で、実に気楽である。ひとつだけ、気楽でないのはお値段だが・・・(^^;
 念願のうどんとすしを食べた息子は満足げ、僕自身も久しぶりのうどんは美味しかった。食事が終わると、ドイツで入ったレストランの中で一番高い請求書にサインをすると、また催し物をしている中をぶらぶらしながらホテルに帰った。



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