アントワープ


 アントワープで有名なのはダイヤモンドだ。装飾用ダイヤの80%以上がこのアントワープで研磨されるという。しかし、日本人のせいで有名になったものがこの町にはある。実はかの有名な「フランダースの犬」の舞台がこのアントワープなのだ。ガイドブックによると、日本で有名だったこの物語は、当のアントワープではほとんど知られていなかったと言う。しかし、フランダースの犬の故郷を訪ねる日本人が、観光案内所で「ネロは?パトラッシュの家はどこですか?」と何人もが質問をしたらしい。そのおかげで、当時の観光局の人が調査をし、まず日本語から勉強を始め、フランダースの犬を読み、最終的にアントワープの中心から5km程の所がネロとパトラッシュの家だったと結論付けたという。今は銅像も建っているらしい。なかなか、面白い話だ。日本では「感動的な話」として有名だが、当のアントワープでは、「あんな貧しい少年がいれば、ベルギーの祖先はほっておくような事はしない!」と、あまり評判は良くないらしい。(^^;
 今回、その銅像は見に行かないが、ホテルのすぐ横にあるノートルダム寺院は、そのネロが見たくて見たくて仕方が無いのに、いつも布がかかっていて見る事が出来なかった、最後に死ぬ寸前にやっと見る事の出来たと言う絵がある。

 前の晩にガイドブックを見ていると、なんとこの8月15日はベルギーでは祭日にあたるのだ。「聖母マリア被昇天祭」らしい。ホテルの横の広場が中心になり、17世紀の衣装をまとった人たちがマーケットを立てるという。まあ、よくこんな年に一度の行事にあたる旅行だ。(^^)
 午前中、連れ合いとお義父さんは美術館、僕と息子は船の博物館に行った。その後、待ち合わせの昼までこのマーケットをうろつく事にした。


 服を売っているお兄さん。衣装を着ているのがわかるでしょうか?
 いろんな衣装があって、中には魔女もいました。(^^;



 マスカットを売っている店。とにかく、豪快。
 連れ合いとお義父さんも美術館の後、このマーケットをうろついていて、途中で会ったので、昼食はここですまそうという事になった。
 息子が、「スイカが食べたい」といい、スイカの切り身を売っている所に行くと、ひとつ35フランだった。息子とお義父さんと僕と3つを買い、息子が100フラン札を見せて「OK?」と訊くと、快く5フラン、まけてくれた。
 貝の煮物、パエリヤ、焼き魚と、食べる物には事欠かない。


 昼からノートルダムの中を見学に行く。教会中央正面に「マリア被昇天」の絵がある。絵の前は立ち入り禁止になっているため、遠くからしか撮影する事が出来なかった。ネロが死ぬ間際にやっと見る事の出来たルーベンスの「キリスト昇架」「キリスト降架」の絵はこの写真を撮っている位置の左右にある。




 夕食の時間になると、連れ合いはこの地方の名物、ムール貝のバケツをもう一度食べたいという事で、昨日とは違うレストランに入って頼む。

 これがそのムール貝のバケツ。上げ底ではありません。底まで一杯、入っています。横のカメラと比べてみてください。ちなみに、別のレストランで見たメニューに、ムール貝(1.3kg)と書いてありました。それぐらい、入っているようです。一人で食べていると、なかなか減りません。(^^)


 アントワープはなかなか楽しい町だ。ダイヤモンドランドという、加工している所の見学も出来るお店にも行き、目の保養もしてきたが、ガイドブックによると日本で買う3分の1くらいの値段で買えるらしい。大きなダイヤモンドの周りに小さなダイヤモンドをちりばめた指輪がショーウインドウに無造作に置かれている。値段は・・・日本円で300万円以上。と言う事は日本で買うと1000万円????(**)
 免税手続きもその場でしてくれるため、確かに安いのだろう。日本で給料3か月分の婚約指輪を買うのなら、新婚旅行でここに来て買うから待ってと言ったほうが賢そうだ。(^^)
 結局、指輪を出してもらって見るだけしかしなかった僕達にも店員さんは愛想よく、笑顔で送り出してくれた。でも、もう一度行ったら、連れ合いはきっと買ってしまうだろうな・・・・。

 宿を2泊にした事で割とゆとりを持った行動が出来た。次の宿泊地も2泊する予定で、明日は始めに予定しているゲントには泊まらず、ブリュージュまで行く事にした。

 しかし、ヨーロッパは通信環境が悪いとは聞いていたが、これほど繋がらないとは思わなかった。今日も何度かトライするが、結局、繋がらなかった。いつになったら、この2通のメールを送れるのだろうか・・・・・。


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