最終都市・ブリュッセルへ


 ホテルをチェックアウトすると、とりあえず堀の外に出る事にする。この町は周囲を運河と一部、城壁で囲んだ町だ。だから周辺をくるりと運河が巡り、その外側にまたくるりと周回道路がある。そこに出ればどちらに走っても高速道路への標識はあるだろうと思った。そして、運河を横切る橋の手前で赤信号にひっかかると・・・

 わかります? そう、橋が上がって行く・・・・。
 跳ね橋だったのです。

 初めて見る跳ね橋にちょっと驚き。しかし、この後、跳ね橋が再び下りるまで15分くらいかかった。(^^;

 一旦、町の外に出ればすぐに高速道路への表示が見つかる。そうなれば後は簡単で、さすが首都のブリュッセルである、至る所に「ブリュッセル」の表示がある。それに従えば問題無くブリュッセルまで到達できる。が、例によって街中に入ってからがわからない。首都だけあって広いため、そう簡単に手持ちの地図の中に入ってこないのである。唯一、「センター」の表示を頼りに(どこの町も、町の中心に向かってこの表示がある。)車を走らせる。ようやく地図上で場所の確認が出来ると、ブリュッセルでの宿泊先、ホテル ル・ドムまではすぐだった。

 これがホテル ル・ドム。1と2があって、僕達が泊まったのは1の方のはずである。昔の面影を残した綺麗なホテルだとガイドブックに書いていたが、実際には近代的な綺麗なホテルでちょっと残念。しかし、さすがに4つ星である。部屋には冷蔵庫があり、お湯を沸かすポットがあり、コーヒー等を入れる事が出来る。ゆっくりとリラックスできる空間である。
 まあ、日本の大手ツアーで旅行すれば、最低限、このくらいのホテルに泊まるだろうから、そんなに感激する事ではないのかも知れないが・・・・。


 荷物を部屋に運び込んだ後、本日のメインイベント、レンタカーの返却である。(^^;;;
 返却場所はこのホテルからは少し遠い。場所が分からないため、またまた迷いながらガイドブックを頼りに探す。市内に駅が3つもあるため、多分、中央駅だろうと思い探すが見当たらない。よく見てみると、そこからまだ先の南駅が返却場所だった。
 ようやく南駅に付き、ハーツの駐車場を見つけて「リターン・カー」のスペースに駐車する。室内に忘れ物が無いかもう一度チェックするとハーツのカウンターを探す。「やさしいお姉さんがいてたらいいのにね。」の連れ合いの言葉とは裏腹に、見つけたハーツのカウンターにはいかつい・・事は無い、普通のお兄さんが3人、いました。キーを出して、「契約書を無くしたんだけど」と言う。連れ合いが前の晩にメモしてくれた契約書と車検証の英訳を書いたメモを見せる。ハーツの係りの人は、フランクフルトで借りて、ここで返す事を確認すると、「キーもあり、車も帰ってきた。後はフランクフルトの事務所に連絡をして、契約書のコピーを送ってもらう。清算はクレジットカードに請求するからOK。」というような事だった。車検証の事がうまく伝わったのかどうかはわからないが、あとは車をチェックしてフランクフルトの事務所で事務処理をしてもらうというような話で、いとも簡単に終わってしまった。
 まあ、後は帰国して、途中での修理の事も含めて日本のハーツに連絡して聞いてみる事にした。会社でかけている保険に「損倍」の保険があるので、それも聞いてみなくてはいけない。保険が出れば、ラッキーである。

 南駅からホテルの近くまではトラム(まあ、地下鉄です。)で帰ることにした。この時、僕は背中にリュックを背負っていたのだが、電車で揺れるリュックの感触がおかしい。クルッと連れ合いの方にリュックを向けると、「チャック、閉まってる?」と聞く。異常は無いようだったが、僕は後ろにいた一人の青年が気になっていた。片手にジャージの上着を引っ掛けている。それ自体はどうも無いのだが、駅から乗り込んでくる人を一人一人見ている。僕は念のため、リュックを列車の壁に押し付けるようにして乗っていた。やがてその青年は人ごみにまぎれて一旦、後ろに行き、連れと思しき人間と話をしながら降りて行った。ホテルに帰って何気なくリュックの後ろを見てみると、部屋履きように使っている機内用携帯スリッパが半分、顔を出している。このポケットはこれしか入れていないため、朝、ホテルを出たら次のホテルでこのスリッパを出す時までまったく開ける事の無いポケットだ。
 ガイドブックを見てみると、ここ、ブリュッセルは特にスリが多いらしい。しかし、実際に出会ったのはこれが初めての経験である。幸い、泊まっているホテルはセーフティーボックスを備えていたので、パスポート等はそこに入れてから町に出る事にした。


 遅めの昼食を済ませて一休みした後、夕方、「世界で一番美しい」と言われるグラン・プラス広場に出かけた。写真はその広場に向かう途中のアーケードである。ここもなかなか美しい所だ。


 グラン・プラス広場の写真は入れません。デジカメで何枚か撮りましたが、「なんや、こんなんか。」と言われそうですから。それは、大きさの違いによるものです。写真でいくら見ても、見上げるような石造りの建物が持つ迫力と、落ち着いた雰囲気、そして見事な彫刻を感じる事は不可能だからです。この広場が何故それほどまでに美しいと言われているかは、現地に足を運ばないと理解できないでしょう。

 グラン・プラス広場の一角、正確にはすぐ脇の道にあるセルクラースの像です。これに触ると幸福が舞い込むのだとか。欲張りな僕はごらんのとおり、たっぷりと触ってきました。(^^)


 夕食を食べると一旦、ホテルに帰り、その後連れ合いと2人でホテルのバーにビールを飲みに行く。ここベルギーはドイツに負けないビールの王国だ。日本では味わう事の出来ない様々なビールを飲む事が出来る。

 そして、ビールのあてに頼んだ物は・・・・そう、出ました、ベルギーで4回目のムール貝〜。(^^)

 幸せそうな連れ合いの笑顔は、僕の独り占めにしておきます。


前のページへ  次(王立美術館・王立軍事歴史博物館)のページへ

トップページへ