チェンマイ観光 ー ドン・スティーブ寺院


 朝、目が覚める。時間は8時。若干、頭が痛い。久しぶりにはしゃいで、ちょっと飲み過ぎたかも知れない。
 うとうと、うだうだしながら、時間を過ごす。テレビをつけてNHKをぼーっと眺めている。10時頃になると若干、ましになってきたので、ゆっくりと体を起こし、水を飲む。半頃になって、ようやくシャワーを浴びて、少しシャキッとなる。
 今日はドン・スティーブ寺院とワット・ウーモンに行こうと思っていた。道もあまりわからないので、欲張らないでのんびりドライブするつもりでいたのだ。
 ホテルのツーリストでレンタカーを貸しているのを知っていたので、それでと思って、道をもう一度確認すべくフリーペーパーを見る。ふと、そこに「ランベルツアー」の広告が。僕が寝台列車のチケットを頼んでいる所だ。エンプレスホテルからも近い。「レンタカー、手配します。」の文字もある。チケットの受け取りは明日(13日)に行く予定だったが、レンタカーを借りてついでに受け取ろうと、電話をかける。「Hello」と電話口に出た女性に、「ドゥ ユ ハブ ジャパニーズ スピーカー?」と言うと、「チョットオマチクダサイ。」とたどたどしい日本語が帰ってきた。しばらくすると、男性が出てきて、「何でしょうか?」と聞いてきた。この男性もタイ人の方で、完全ではないものの、かなり日本語をしゃべる。レンタカーを借りたい旨、伝えると、「すぐ確認しますから、部屋でお待ち下さい。こちらから電話します。」との事なので、ホテル名と部屋番号を伝え、その間に荷物の準備をする。5分もしないまに電話がかかってきた。「15分だけお待ち下さい。」との事。夕方までで1500B。「じゃ、他のついでがありますから、そちらに行きます。」「いえいえ、運転手ももう出ていますから、そちらで待っておいて貰えれば行きます。」「いや、他にチケットも頼んでありますから、行きます。」「・・・・じゃ、一人、運転できる女性がいますので、迎えに行きます。」「歩いても近いですから、自分で行きますよ。」「いえいえ、それはかわいそうですから、迎えに行きます。」どうも同情されているようである。(^^; 日本語の使い方はまだ所々おかしな所のある人だが、まあ、素直に待つ事にした。しかし、この会話の中で、「運転手が」の言葉に特に注意を払わなかったが、あとで「あちゃ〜」という思いをする事になるのである。
 荷物を整え、ロビーに降りて待っていると。程なく女性が「YAMAMOTO」と書いた紙を持ってロビーに入ってきた。玄関先に泊めてある赤のホンダ車に乗ると、車を発車させて、「チカイデスカラ」と言われた。すぐですからという意味で言ったのだろう。電話に出たのはこの女性のようだ。
 ガソリンスタンドを横切って駐車スペースに車を停めると、「コチラデス」と道路向かいを差した。






 真ん中がランベルツアー。1階がオフィスだ。










 中に入って椅子に座り、しばらく待っていると、奥から右足にギブスをして松葉杖をついた男性が出てきた。どおりで電話をかけた時、なかなか出られなかった訳だ。
 「どこに行きたいですか?」と聞かれたので、「ドン・スティーブ寺院とワット・ウーモンを考えています。」と言うと、「遠慮無く使って頂いて結構ですから。途中でも行きたい所が出来たら、運転手に言って貰えればOKです。」
 うん?運転手に?し、しまった〜!そういえば、何かでタイでレンタカーを借りると、普通は運転手付きだとか書いてあるのを読んだ。あっちゃっま〜。
 まあ、今更仕方がない。チェンマイで車を運転するという計画は崩れてしまったが、まあ、それはそれで楽しむ事にした。
 僕の相手をしてくれているランさんは、2カ所ではあまりに少ないと思ったのだろう、時間内で回れそうなお勧め箇所をピックアップしてくれた。チェンマイ博物館に旧市街のど真ん中にあるワット・チェディルアン、それと最近見つかったという遺跡群。「お昼を食べますか?」「はい。」「じゃ、最近のチェンマイの名物、カオソイがいいでしょう。おいしいお店がありますから、案内させます。」と言っている間に、運転手が来られた。優しそうな感じの運転手である。Pooさんというこの運転手さん、日本語は殆ど分からず、英語なら大丈夫との事だった。ランさんからPooさんに一通り、行程の説明をし、いくつかの確認をした後、寝台車のチケットの受け取りについて話をした。メールのやりとりをした日本人の中澤さんにも電話をかけてくれたりと親切に対応していただいたのだが、もう一つ、話が伝わりにくいようなので、ホテルから近い事もあり、当初の予定通り、明日の13日にチケットの受け取りをする事にした。

 Pooさんがオフィスの前に車をつける。先程、女性が僕をホテルに迎えに来てくれた車だ。後部座席に乗り込むと、走る道を地図で確認しながら周囲の景色を眺めていた。ちょっと心配していたのは、お昼を食べる所だ。お勧めの所なので、観光客向けのそこそこ良い所に行くのかなと思っていた。オフィスを出てから10分ほど走った所で、空き地のようなスペースに車を停めると、すぐ横の食堂に案内してくれた。新市街地の北側エリア、周りには観光するような所もなく、あまり観光客が来る事も無さそうな、地元の人の食堂のようだ。
 Pooさんが「カオソイでいいですか?」と僕に確認をして注文をしてくれる。






 厨房が別にある訳ではなく、客席の横に鍋などを置いて調理をしている。









 これがカオソイ。ひらたく言うと、カレーヌードルでしょうか。それに鶏肉の骨付きが2つ、入っていました。これは結構、おいしかったです。










 少し少なめではあったが、香草の臭いも気にならず、辛さもちょっと辛いかなという程度で、ついついスープも一緒にすすっていた。2人分のカオソイと水の料金、チップ込みで60バーツを支払い、車に戻ると、ランさんお勧めのチェンマイ博物館へと向かった。







 チェンマイ博物館外観。入り口も中も車椅子でまわる事が出来るように、斜面とエレベーターがついていた。中は撮影禁止で、タイの歴史を展示している。昨日までトレッキングに行っていた山岳民族の住居の実物大模型や、炭坑を掘る誇り高き男達の写真が飾ってあったり、もちろん、タイの王族の展示もあった。なお、内容はご勘弁を・・・。日本語の解説はありません。












 一通り見て回って、Pooさんの待つ玄関へ帰ってくる。尚、タイのこういった建物やお寺は、タイ人は無料で、外国人のみ、入場料が必要だとの事。
 次は、僕が最初に言った目的地、ドイ・スティーブ寺院を目指す。これは結構、山道を登らないと行けない為、トゥクトゥクでは無理だと聞いている。Pooさんの運転は実になめらかで、日本のタクシーの運転手の方がよっぽど荒っぽいのでは無いかと思える程だった。前日の疲れも手伝って、僕は後部座席でうつらうつらしていた。
 やがて曲がりくねった山道がしばらく続き、目の前に立派な門が見えて来た。周りには車が一杯止まっていて、僕達の車を停めるスペースが無い。Pooさんは一旦行き過ぎて、Uターンすると、ソンテウが一杯停まっている間に車を入れた。










 寺院への登り口。入り口付近には沢山の店が出ていた。
 Pooさんを誘って中に入る。
 「階段を昇るか?エスカレーターにするか?」と聞かれたが、僕はもちろん、階段を選んだ。Pooさんは、「Good!」と言いながら、階段の方へ案内してくれた。













 写真真ん中の上から3分の1くらいの所が階段のトップ。300段台だったが、正確な数字はちょっと覚えていない。ガイドブックを見ても、大抵書いてあるので、ご興味のある方はご自分でお調べ下さい。
 まあ、四国の金比羅さんに登った事があるので、あれに比べればかわいらしい物です。












 階段を登り切る直前の右側にチケット売場がある。30バーツを払い、チケットを貰う。しかし、このチケット、初めから角がちぎってあって、チェックしている場所がない。英語の表示に気付かず、そのまままっすぐ登ってしまえば、チケット無しで入れてしまうんではないだろうか。









 お寺の解説は、ガイドブックに任せます。

 僕が初めて見る、タイのお寺がここになった。中に入って感じた事、それは、「きれ〜い〜!」であった。大抵のガイドブックの写真は実物より綺麗で、話半分で現地に行くが、ここはガイドブックより綺麗だった。その金色に輝く塔には圧倒される。
 しばし見とれて、Pooさんについて周りを回る。
 裏に回ると、チェンマイの街が一望できる。
 帰りにPooさんに、「ここのお寺は特別ですか?」と聞くと、「そうです。」という事だった。お金持ちのお寺なんだろうなと思う。













 「タイに行く時は、自分の生まれた曜日を覚えておいた方がいい。」と何かのガイドブックに書いていたが、仏像が並んでいて、その前に、油壺があり、紐がを芯にして火が灯っている所に来ると、Pooさんが、「何曜日に生まれましたか?」と聞いてきた。「水曜日です。」と答えると、一つの仏像を指さして、油を注ぐ仕草をした。水曜日に生まれた人の仏像のようだ。手前の油の中に沈んでいる小さなひしゃくを取ると、何度か、油をくんで油壺に注いだ。でも、ひっきりなしにみんなが注いでいるので、すでに一杯で、注ぐ尻からこぼれるのだが・・・・。



 一回りまわると、階段を降り、次の目的地、ワット・ウーモンに向かう。






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