帰 国

 程なく空港に着くと、添乗員さんからeチケットの控えを貰い、搭乗手続きへ。仁川空港までと、仁川空港から関空までの手続きを行う。荷物を預けるのに、まず僕の荷物を秤に乗せる。なんと、21.6kg。軽くするために、リドに履いていった革靴は捨ててきた(もともと、そのつもりだった)。トランスや充電器などはすべて手荷物に移した。お土産は会社など、最低限にしたのだが、収まらなかった。カウンターの係の人は、「ちょっとお待ち下さい。」と言って、どこかに電話をして、しばらく話をしていたが、終わると、「OK」と言ってタグを付けてくれた。連れ合いのスーツケースは18kg台でセーフであった。座席はAとCだったが、カウンターの女性は、「Together」と言っていた。B席が無いのかなと思ったが、添乗員さんが確認してくれた所、B席は空いているとの話であった。
 仁川空港までは連れ合いと隣同士だったが、仁川空港から関空まではなんと46列AとH、つまり、同じ列の端と端だった。まあ、仁川空港から関空までは1時間ほどなので、まあええわといった感じであった。

 全員が搭乗手続きを終え、添乗員さんの元に集合する。全員の席を確認すると、結構、バラバラになっている組があった。添乗員さんも不思議そうに頭をひねりながら、「しばらくお待ち下さい。」と言って、搭乗カウンターへ。連れ合いが、「添乗員さんって、こんな事まで面倒見てくれるんやね。」と感心していた。帰ってくると、仁川空港まではグループが並びになったとの事。仁川空港から先は、仁川空港でないと変更が出来ないので、出来るかどうか分からないとの話であった 。
 バスの中で添乗員さんは、「多分、席はかたまっていると思います。」と言っていたので、何故かなと思っていたが、どうやら、何人かの人が搭乗手続きの際に、通路側を指定したとの事なので、それで半端な所が出来て、いくつかの組がバラになったようだ。添乗員さんが並びの席にしてくれたので、通路側から外れた人もいたようで、「せっかっく、通路際を指定したのに〜。」と言っている人がいた。

 空港まで送ってくれたガイドさんが免税品の申請をする人たちを連れて行き、僕たちはそのまま手荷物検査へ。「観光案内で使用した受信機は、各自でお持ち下さい。私がまとめて持ち込むと、セキュリティーチェックに時間がかかりますので・・・。」と言っていたが、しっかりと経験をする事になってしまった。今まで、ここまでやった空港は無かったのだが・・・。
 例によって、パソコンを取り出し、金属物は上着に入れて、上着ごとトレイに。靴を脱ぐように言われて裸足に。しかし、何人か前に女性のブーツを脱がしていた時は、使い捨てのような足カバーを渡していたのに、僕にはなかった。お〜いとか思いながら、金属探知機をくぐる。すると、呼び戻されて、「カメラも出して」と言われた。デジイチとレンズを出してトレーに乗せ、また金属探知機をくぐって中に入る・・・・また呼び戻されて、「電気製品は全部出して」と言われた。
 パソコンやカメラは、マイナス数十度になる荷物室に預ける事は出来ないので、常に手荷物だ。今回、パソコン、デジイチのカメラにレンズ、ニンテンドーDS(11月から英語漬けをずっとやってる・・)、ソフトバンクの携帯電話にエクセルの使えるウイルコムのスマートフォン、それと、スーツケースの重さを軽くするために手荷物にしたコンセントの変換器、トランス、電話の充電器3つ、コンデジ用の充電池と充電器。とにかく全部引っ張り出してトレーに乗せる。しかし、何故か他の空港で引っかかってきたベルトは外さなくても済んだ。
 もし、添乗員さんが受信機をみんな持ち込んだら、こんな事になるんだろうな〜と納得。
 後から来て先に通った連れ合いが、「えらい、厳重やね。」と驚いていた。



 手荷物検査には、大きな人だかりで少しでも列の短い所に誘導して貰いながら進んでいました。旦那さんが「僕は遅くなるから先に行きや」と言われていたので、違う列を通って私は自分の手荷物検査をすませました。同じ列の後ろに例の女子大学生さんがいました。私は、免税の手続きの方に行った人がセリーヌのバックを三つも買った等という話を聞いて「ちょっと、うらやましいわ」なんてしゃべっていました。私の手荷物はショルダーバック一つだけで、スニーカーだったので靴も脱ぐ必要もなく、いたって簡単でした。そして、丁度手に持っていたパスポートと搭乗券をバックのトレーの中に置けと指示されて、そうしました。そして、金属探知機を通りまたバックを受け取って、旦那さんを待っていました。ちょっとして、とっくに買い物に行ったと思っていた彼女がまだすぐそばに立っているのに気がついて、「?」と思ったとたん「Yさん、忘れ物・・」と声をかけてくれて、なんとパスポートと搭乗券を渡してくれたのです。「・・・うわぁ、ありがとう!」自分でも、なんてうっかりだったんだろう、そして、彼女が後ろにいてくれてなんてラッキーだったんだろうと愕然としました。やはり、ツアーで来ているという気のゆるみでしょうか。


 連れ合いが、何か食べようというものの、これから飛行機に乗ることを考えると、機内食まであまり時間が無いだろうから、軽めのものを探す。しかし、どうも欲しいと思うものも無く、搭乗ゲート近くでコーヒーを買おうかとも思ったが、人が沢山並んでいるので、やめた。最後のユーロ圏、残金を使うべく、何か土産になるものを・・・と見るが、思っていたより店も少なく・・・というより、高級ブランドの免税店には用が無いので、結局、缶ジュースを一本買っただけだった。

 搭乗時点で財布の中には35ユーロのお札と1.25ユーロのコインが残っていた。最後に機内で何か、と免税品のリストを見て、連れ合いが口紅を買う事にした。33ユーロである。

 機内食も済み、旅行記でも書こうかと思っていたが、何故か、眠たくて仕方がない。ビデオプログラムで英語だが「カールじいさんの空飛ぶ家」でも見ようとヘッドホンをかける。しかし、15分も見ない間に、眠りに落ち込んでしまった。

 ウトウトしながら、結局、パソコンを開く事もなく、次の機内食のサービスが始まる。キャビンアテンダントが、「お茶漬けと卵があります。」と言った。連れ合いはお茶漬けを選び、僕は卵を頼む。後ろで別のキャビンアテンダントが「おかゆと卵があります。」と言う。はて、お茶漬けなんだろうか、おかゆなんだろうか・・・。





 これがその機内食。おかゆにお茶づけ海苔が付いていた。(^o^)
 ちなみに卵はオムレツだった。






 機内食が終わり、連れ合いがキャビンアテンダントに33ユーロの口紅を頼む。キャビンアテンダントが少し悩んでいる様子を見せたが、すぐに、聞き取りやすい英語で、「仁川空港で乗り継ぎですか?」と聞いてきた。「イエス」と答えると、「口紅を機内に持ち込むための透明のキャリーバッグは持っていますか?」と聞いてきた。ええと、と、即答できずにいると、一旦、離れてジッパーの付いた透明の袋を持ってきてくれた。そして、口紅を包みながら日本語で、「ごめんなさい、日本語が下手で。」と申し訳なさそうに言った。いやいや、すぐに「ノー」と僕が答えていれば良かったのだが・・・。

 仁川空港に到着すると、再び手荷物検査を受ける。ここでは荷物から出すのはパソコンだけで済んだ。ひとつ上の階に上がると、一旦、集合する。添乗員さんが、関空に帰る飛行機の席順を、ツアーの人の中で組み合わせて、それぞれ、並べてくれた。僕と連れ合いも端と端から、中の席に替わる。
 搭乗ゲートは26番だが、待ち時間が3時間ちょっとある。連れ合いの楽しみにしていた韓国料理を食べに行く事にした。


 2階のフードコートに上がり、チケットカウンターで冷麺とビビンバの食券を買う。食券と一緒にポケットベルのような物を渡され、「これが鳴ったら、カウンターに行って受け取ってください。」との事。
 窓際の席に座り、しばし待っていると、冷麺の方のベルが鳴る。カウンターに行き、ベルと食券を渡し、冷麺を受け取る。テーブルに冷麺を運ぶと、程なくビビンバのベルも鳴り、受け取りに行く。





 冷麺。箸は韓国らしく鉄製で、やっぱりキムチが付いてきた。







 こちらはビビンバ。なかなか美味しかった。右の器の中にはご飯が入っている。そして左の鍋に入っている野菜の下にもやっぱりご飯が。





 食事を済ませ、免税店の通りを歩く。途中で、マッサージ店やバーなどのある、リラックススペースがひとつ上の階にあるのを見つけた。行ってみると、お店の他に、寝そべる事の出来るチェアー等もある、ここはなかなかいい空間だなと思った。僕はマッサージを受けたいと思ったが、値段がさっぱり、分からない。途中であったパンフレットにも書かれていないし、店の表にも出ていない。
 連れ合いは近くのシートに座って休憩という事にし、僕は再度、下に降りた。今いるところは40台後半のゲートだが、実は搭乗ゲートである26番近くにもマッサージ店があるのを見つけていたので、そちらを確認に行くことにした。しかし、これが結構、遠い・・・。26番ゲートを少しすぎた所でエスカレーターを昇り、同じようなリラックススペースの中にあるマッサージ店を覗く。ここは玄関脇に料金が書かれていた。一番受けたいと思っていた60分の全身と足マッサージが9万ウオン、30分の全身マッサージが5万ウオン。30分なら5千円はいらない計算だ。搭乗開始予定まで時間は1時間半を切っている。連れ合いの所に帰ってまたここに来るまで15分から20分かかる事を考えると、60分は無理だなと考えながら連れ合いの所へ引き返す。

 連れ合いとマッサージ店に引き返す。中に入ると、カウンターの女の子が日本語で対応してくれる。30分の全身マッサージを2人分頼む。少し待つと、2人の女性のマッサージ師が迎えに来て、ベッドが2つ置いてある部屋へと案内される。マッサージ用の服に着替えてベッドに腹ばいになる。

 ここのマッサージ、背中や肩などをしっかりとほぐしてくれる。飛行機に乗っている時に固まってしまう所を重点的にやるようだ。腕を背中に回すようにマッサージをしたりと、かなり筋肉を動かす。連れ合いは、肩の硬い僕はかなり痛がっているのでは無いかと思っていたようだが、その辺りはさすがにプロのマッサージ師である。痛くなる直前、気持ちのいいところまで延ばして、固まっている所をほぐしていく。
 30分のマッサージは、想像していたよりしっかりしていた。30分より長かったのでは無いかと思うような感じであった。

 マッサージを終え、26番ゲートへと向かう。機内へ乗り込むと、2−4−2と並んだ席の真ん中、C・D席。風邪薬をいただいたKOさんご夫婦の横だった。





 仁川空港から関空までは一時間少々。しかし、しっかりと機内食は出てくる。今度はウナギの入ったチラシのようなものだった。帰ったらしばらくは体重計に乗るのはやめておこう。(^^;






 やがて飛行機は関空へと着陸。入国審査を終えバッゲージルームへ。ターンテーブルの前で荷物を待つ。「あれ、添乗員さんのスーツケースかな。」と連れ合いが言う。綺麗な紫色のスーツケースにルフトハンザのスーツケースバンドが付いている。添乗員さんは少し離れた所で、最後のチェックをしているようで、スーツケースを取りにこれないでいるようだ。「持って行ってあげようか。」というと、連れ合いは「いや、多分というだけで、もし他の人のやったらややこしい事になるから、やめといたほうがいい。」という。まあ、確かに確信が無いのならやめておいた方が無難である。
 自分と連れ合いのスーツケースを取ると、添乗員さんに最後の挨拶に行く。スーツケースの事を聞いてみると、そうだとの事。連れ合いは、添乗員さんが綺麗なスーツケースを持っているなと思って見ていたので記憶に残っていたらしい。

 挨拶を終えると、税関へ。前は課税申告がなければ素通りだったのだが、今は課税申告が無くても、一応、税関申告書を提出しなくてはならないらしい。申告書を手渡すと、行き先を確認され、何事もなく通り過ぎる。

 1階のロビーに出た所で、日空サービスへ電話を入れる。4階のCまでお越し下さいとの事。エレベーターで4階に上がり、Cの出口へ。殆ど待つことなく、車が車付けへ。時間的に見て、預けた所に業者が一時的に使う駐車場があるみたいで、飛行機の時間に合わせてそこまで持ってきているようだ。預かり証を業者に返し、車にスーツケースを乗せる。汚れていた車は、綺麗に洗車されていた。洗車サービスがあるのは知っていたが、繁忙期はしない事もあると書いていたので、この時期はどうだろうと思っていたが、しっかり洗ってくれていた。
 何はともあれ、ここから車で帰る事が出来るのはありがたい。通常は、家からタクシーで新大阪まで。3,500円くらいなので往復7,000円。新大阪からはるかが二人で往復5,000円くらい。それを考えると、9,000円という金額は、往復の高速代とガソリン代を考えても特別高い金額では無かった。何より、運転をしていても、電車に乗るより気分が楽だ。

 ハンドルを握ると、がら空きの関空道を、一路、吹田に向けて車をスタートさせた。







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