出発〜パリ最初の夜

  12月25日の朝、いつものように起きて朝食とお弁当を作り、関空へ向かう準備をしました。連れ合いも早く起きるのかと思っていたのに、なんとなくゆっくりモード。「7時半には出ようね」と言っていたので、まぁこんなものかなとあえて起こさずに・・でもでも、失敗でした。何やかんやと出るのが遅くなり、8時前に出発。そして、近畿自動車道に入る所で大渋滞を発見し・・そこから関空到着まで気が気ではありませんでした。

 徳島からの父が出発したのは妹からのメールで確認していたので、9時15分には関空に着いています。私たちは30分をかなり回ってから駐車場に到着。そこからどこで待っているかわからない父を捜して、程なく見つかったけど、次はエールフランスのカウンターへ。座席は三人並びにはならなかったので、私と父が並んで座ることにしました。

 プレミアムエコノミーに格上げして貰っていた座席はやはり広い。それも最前席だったので、足も伸ばせるし、シートの幅もでかいように感じました。ごそごそとテーブルや液晶画面がどうしたら出てくるのかを探りました。そして、ランチを楽しみに待ちます。ランチはチキンか海鮮丼・・機内食に生ものが出るようになったのかとびっくりしながらも試してみることに。しかし、出てきたのは中華丼でした(^^;)

 スターターはさすがにエアフランス。シャンパンをいただいて、その後白ワインを頼むとかわいいボトルをくれました。もちろん赤も続いて貰ってまぁまぁの評価。しかし、食事が終わると自分で飲み物を取りに行くシステムでした。まぁ、時々歩くことがエコノミー症候群の予防になるので全然オーケーでしたが・・。それでも、真ん中の席の人は大変だろうな・・。父は膝の調子が良くなくて、歩き始めが大変らしく、時々立ち上がっては足の曲げ伸ばしをしたり、散歩してくるわと機内をウロウロ、徘徊老人をやっていました。帰りのフライトはエコノミーなので、席によってはそういうことがしにくいだろうなと、ちょっと心配。






私は窓際に座っていたので、窓からの眺めも楽しみました。すごい雲海を見た後は、段々夜になりクリアな三日月がずっと私たちと同行していました。真っ青な空の向こうにオレンジ色の地平線が見えていたり、バリに近づくむにつれて朝になりラベンダー色が広がっていき、やがて機体が雲の下に戻ってくる様子をつぶさに眺めました。



 ただ、残念なことに私の席の液晶画面がうまく起動しないらしく、アテンダントさんの言うことには満席で席を移ることも出来ないので、次回に飛行機に乗る時のマイレージか機内販売が買える50ユーロで我慢して欲しいとのことでした。マイレージは溜めていないので、機内販売のカタログを見て、化粧品を見繕って50ユーロを遣いました。特に欲しい物があったわけでもなく、カタログに載っている物が殆どが高い物で、お金を足してまでは買いたくなかったので、「映画が見れた方が良かったなぁ」と思いましたが、これも経験です。

 エアーフランスは、直行便だったので日本人のアテンダントさんも多く、フランス人らしき人たちもたいていは日本語を話す様子でした。ただ、小さい飛行機で設備的にはあまり良くないようにも思いました。フライトは殆ど揺れることもなく、まったく問題を感じませんでした。ただ、一睡も出来なかったので、降りた時にはちょっと不安を感じました。

 プレミアムエコノミーの座席はゆったり目で、フットレストが付いているのが非常にありがたかった。しかし、リクライニングは座面が少し前に出るだけで(これが仕様なのか、不具合なのかは確認せず。)、約13時間に及ぶフライトは少々、疲れるものとなってしまった。
 12時08分、予定から3分遅れでプッシュバックが始まる。タクシーウエイを長めに走り、滑走路に出ると停まることなくそのまま一気に離陸。しばらくしてシートベルトのサインが消えるとすぐに靴を脱いで機内用スリッパに履き替え、フットレストをあげる。本当は寝不足の為、すぐに眠ってしまいたいところであったが、食事が済むまではと思い、そのまま起きていた。食事は「Japanese food? or French food?」と聞かれ、「フレンチ」と言ったのだが、通じず。前もってメニューが配られていて、メインがチキンである事を知っていたので、「チキン」というと、一発で通じた。
 食事を済ませるとアイマスクと耳栓を用意して眠る準備。しかし、これがあてが外れた。予定では5時間くらいはゆっくり寝る予定だったが、先ほど書いたように、リクライニングがあまり出来ないため、椅子に座って船を漕いでいるような状態になり、10分〜20分くらいの、熟睡できない細切れなうつらうつらが3時間ほど続いた。
 結局、眠れずに、モニターを出すと映画の物色をする。テルマエロマエUとブレードランナーの2本を見終わった頃、2度目の食事となり、16時49分、シャルルドゴール空港へ着陸。ターミナルについたのは53分頃だろうか。約13時間の飛行であった。

空港に到着して、入国審査を受けるのに移動を始めると、シャトルに乗るようになっていて、それを降りてからもどこまで行くのかなぁと人の流れに着いていきました。沢山のツアーの人たちのお出迎えを横目に、入国審査を通り、バゲージルームへ・・。実は父は、スーツケース以外の手荷物に大きな鞄を持ってきていて、関空でそれを見た瞬間私はあきれて腹を立てていました。手荷物はリュックか軽い物にしないと、スーツケースを運びながら移動はしにくいのに、旅慣れているはずの老人が何で自分で運べないような大きな鞄を持ってくるのか・・。スーツケースが重くなりすぎることを案じて荷物を分けたからと訳の分からないことを言っていましたが、シャルル・ドゴールに着いてからもカートを使ったり、使えないところでは自分で持とうとするのを連れ合いと取り合いになったり、やれやれでした。荷物に対する認識が甘すぎます。

 前回父と一緒に旅行したのはいつだったか・・妹が「ぼけぼけやから気をつけて」とメールしてきたわけがちょっと露呈してきた感じです。まぁ、84歳ですものね。
それでも、機内食もよく食べて、おしゃべりもいっぱいして、飛行機を降りる前に「今夜は牡蠣を食べに行こう」と言ったので私よりも元気でした。私はその頃は、何か軽い物で食事を済ませて早くベッドに潜り込みたいと考えていましたから・・。

 空港からは、ロワシーバスという二連につながっている大きなバスでオペラまでの直通でした。今回オペラ座近くにホテルをとっていた私たちにはうってつけの移動手段です。しかしその運転の豪快だったこと。まさしく飛ぶように市内に入りました。座席が向かい合っていたので連れ合いは進行方向が後方に進んだため、気分が悪くなっていました。そうそうバスのチケットは事前に自動販売機で購入、一人10.5ユーロでした。しかし、バスの中で購入する人たちもいて、乗り込み出発するのに結構時間がかかりましたよ。パリの夜は早く、17時頃に空港に到着しバスが18時頃に出発した時はもう真っ暗でした。

 オペラ座でバスを降りてからはスーツケースをカラカラ言わせながらホテルを探しました。程なく連れ合いが見つけてくれたのですが、そこのフロントのおばさんの喋る英語が聞き取りにくかったこと。まぁ、しばらく英会話もやっていないので、私の英語脳もまだスタートしていませんものね。

 ロキシーバスの乗り場は以前と変わっているようで、14年前の私の記憶とは違っていた。バスの中でスマートフォンのローミング設定を済ませ、程なくバスはオペラ座の横へ。降りた所は前回と同じだった。前回、降りた直後によろけて小銭をばらまいてしまい、カップルの女の子が彼氏と手をつないだまま、小銭を拾ってくれた事を思い出しながらホテルの方向に歩き出す。ホテルが並んでいたため、少しわかりにくかったが、幸い、建物に番地が大きく書かれており、「27」と大きく書かれた入り口に入る。本日から3泊するホテル、「ホテル コーマルタン オペラ」である。チェックイン時の会話は連れ合いに任せていた為、よく聞いていなかったが、「Wi−Fi」の言葉が聞こえたので、これは連れ合いは分からないなと思い、そこだけ聞いた。無線LANが完備されているようだ。

 部屋はシングル一つ、ダブルを一つ取って貰っていたので、まず父のシングルを見て自分たちの部屋に行きました。結構広くて、バスルームなども新しく綺麗でした。この立地でこれくらいの部屋だと宿泊費は高いのでは・・まぁ、高いツアーにしてしまったのは私なので・・良い部屋で良かったです。

父は、やはりお腹が空いているらしく、荷物を置くと外に出ることにしました。リフトで日本人のカップルに会い、今日はクリスマスなのでスーパーマーケットが閉まっているという情報を聞きました。お水とか簡単な食べ物を買うというもくろみは外れて、やっぱりレストランを探すことに。


オペラ座界隈なので、どこも高いだろうなと心配していると、父は高級そうなレストランを見つけて入ろうと言います。しかし、着いたその日に入るレストランではないと思い、通りの向かいに見えるややカジュアルっぽい店の方に行きました。私は、その横にあったバイキングでも良かったけど、父はパリに来たことが嬉しくて、豪華な食事がしたいようでした。

 入ったレストランは、オペラ座からルーブルに向かい、最初の交差点を右に曲がってすぐの左手。名前は控えてこなかったので、写真を参考にしてください。ちなみに、写真の手前隣は中華レストランです。



 お店で私たちは三人と伝えると、予約があるかと聞かれましたが、「No!」でも、席に案内して貰ってメニューを眺めました。ありました、牡蠣もお肉もサラダも・・。牡蠣やエビなどが載っていると思われるプレートと連れあいの希望のローストビーフ、そしてサラダ、ビールにしようかと迷ったけれど、赤ワインのハーフボトルを頼みました。





店のボーイさんは陽気で片言の日本語を連発し、私たちを笑わせてくれました。さすがに観光地です。そして、ワインは軽かった物の、私たちはとても食事を楽しむことが出来ましたよ。これは、父に感謝です。お代は84ユーロほどで、1万2千円くらいでしょうか。けして高くはないですよね。ちなみに牡蠣は父は一つ食べて生臭いからいらんと三種類のエビや、小さい巻き貝を食べていましたが、私には生牡蠣がとても美味しくて、4個はいただきました。

 陽気なボーイは日本人だと分かると、「Yamamoto?」とか言ってくる。確かにそうだが・・・。知っている日本人の名前を適当に言っているだけだが、今回はドンピシャだった。(^^;
 チェックを頼むと、「Okannjou」と応える。おかげで充分、食事を楽しむことが出来た。請求書と一緒に人数分のチョコが入っていた。チップを10ユーロ置いて席を立つと、階段の手前で「Arigatou」と言いながら、また同じチョコを一つずつ、手渡してくれた。


 レストランを出て、夜のオペラ座を写真に納めてホテルへ戻りました。先ほどのカップルはホテル近くのレストランで済ませたらしく、またリフトで一緒になりました。感じの良い若い人たちで、また情報交換できるかも・・。

 ホテルでシャワーをして、3時間ほど眠り、目が覚めてしまったのでこれを書いています。睡眠不足のはずなんですか、時差ボケボケですね。でも、とても元気になってきました。朝までにもう一回寝られると良いのですが・・。

 飛行機では殆ど眠ることが出来ず、疲れていたので、すぐに寝床に付く。しかし、3時間ほどで目が覚めると、連れ合いがこの旅行記を書き始めていた。なかなか眠れないようだった。再度、ベッドに入り、目を閉じる。明日はオルセー美術館とオランジェリー美術館に行く予定である。


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