台湾初日

 初めて乗るエバー航空。デジカメで写真を撮っていると、デジカメのバッテリーの所がおかしい・・?よくみると、なんと、2つある小さな爪の一つが折れていた。その為、きちんとフタが閉まらないのだ。まだ搭乗開始まで少し時間があったので、試しに空港の売店に行って、「セロテープ、ありますか?」と聞いてみた。しかし、「アロンアルファならあるんですが・・・」と申し訳なさそうに言う。まあそうだろうなと思いながらも、アロンアルファがあったのにもちょっとビックリである。
 現地の空港に降りたら、セロテープを買う事にしてケースに入れると機内持込のリュックにデジカメを放り込んだ。

 関空を13時00分に出発したエバー航空の飛行機は、現地時間14時50分、時差マイナス1時間なので、所要時間2時間50分で台湾の中正国際空港へと到着した。
 両替を済ませ、入国審査を通過し、荷物を受け取って1階の一般ロビーへと出ると、そのまま3階の出発ロビーへと上がった。エバー航空はリコンファームが必要なのだが、空港でそのままチケットを見せるのが簡単だからだ。真ん中当たりにあるインフォメーションに行き、連れ合いが英語で「エバー航空のリコンファームをしたい」と聞くと、3人のうちの一人が、「6番の後ろ」と、日本語で答えてきた。台湾の人も日本人も、見た目からは見分けがつきにくいが、考えてみれば、中国語では無く、英語で話しかけてくるのは十中八九、日本人なわけだ。
 エバー航空のカウンターで帰りのチケットを見せ、リコンファームを済ませる。1階に降りるのにエレベーターに乗るが、エレベーターの表示は「電梯」であった。漢字の使い方が若干違うものの、それなりに理解できるから面白い。

 1階に着くと、バスの表示を頼りにホテルまでのリムジンバス乗り場を探す。ガイドブックによると東回りの最終が今回宿泊するホテルで、運賃は一人140元との事であった。「East Lain」と書かれた表示を見つけて、「グランド・ハイアットまで」と言ってチケットを買う。一人145元。チケット売り場の表示もそうなっている。どうも最近、値上げしたようである。

 バスに乗り込む。座った席はどうも座り心地が悪い。仮にもリムジンである。どう見ても、綺麗とは言い難いバスである。台北市内を目指して走るバスの前をよく見ると・・・フロントガラスの上にあるガラスに大きなヒビが・・・サイドのガラスにもヒビが・・・日本なら多分、車検に通らないと思うのだが・・・まして、お客を乗せて走る、それも、空港からホテルを回るリムジンバスなんだけど・・・・・・。

 まあ、バスの運転手さんは特に荒っぽい運転でもなく、台北市内に入っても、縦横無尽に走るバイクをものともせず、決められたルートを回り、ホテルへお客を降ろしていく。しかし、困るのは、中国語でホテルの名前を言われても、サッパリ、わからないことだ。幸い、グランド・ハイアットはかの有名な台北101のすぐ近くなので、台北101が目印になった。しかし、近くに来るとやっぱり不安で、運転手に聞くと、「NEXT」と返事があり、やがてホテルの前の歩道にバスが横付けされた。時間は16時10分。15時50分に空港を出たので、約80分である。

 バスを降りると、荷物入れからトランクを降ろす。ひとつが奥の方にあったので、腹ばいになって荷物入れに入り、トランクを引っ張り出す。そのまま車付けを横切り、グランド・ハイアットの入り口へ。すぐにポーターが来て日本語で話しかけてくる。「お荷物は2つですか?」と聞き、「あちらでチェックインをして下さい。」と、荷物の引換券のようなものを渡してくれる。
 フロントに行き、インターネットで予約したさいにプリントアウトしたバウチャーを渡す。部屋は10階の1043号室。カードキーを渡され、荷物を預けた時の引換券のような物をフロントに渡す。「お荷物はお部屋に届けますから。」とエレベーターホールまで案内してくれた。

 グランド・ハイアット・台北は、5ツ星の豪華ホテルだ。今回、日数が少ないこともあり、たまには贅沢なホテルに泊まってみようと思い切って取ったのだ。ご興味のある方はインターネットで検索すればすぐに出てくる。1階ロビーには係員が何人も邪魔にならない程度にばらついている。しかも、係員同士で無駄話をする事もなく、困っている様子の人等を見つけると、すぐに近づいて話しかける。大きな吹き抜けに関わらず冷房が充分すぎるほど効いている。いや〜、すごいホテルを取ったものだ。(^^;

 部屋のカードキーはICチップだろう、差し込むのではなく、リーダーの上にかざすだけの非接触型だ。これは便利で、この後、財布の中にカードキーを入れっぱなしにして使用していた。

 部屋に入ると・・・広い!広いとは聞いていたが、確かにゆったりしている。しばらくして荷物を持ってボーイが現れ、日本語で部屋の中を一通り説明してくれた。このホテルは全室、LANが装備されている。無線LANが使えるエリアもあるようだ。パソコンを置いて、そのすぐ横にLANの口やコンセントがある。実に使いやすそうだ。

 一休みすべく、荷物を降ろし、上着を脱ぎ・・・この時点で、私は「えっ!」と、うろたえた。な、な、な、な、な、無い!上着の右ポケットに確かに入れたはず・・・リュックの中にも無い・・・・・・。

 気がつかれた方がおられましたら、大したものです。今までの旅行記を読んできていただいた方は違いがわかったかも知れません。ここまで一枚も写真が入っていない事を。

 そう、デジカメが無い!

 連れ合いといろいろな可能性を考えた。バスに乗る時に、バス停で写真を撮っているため、そこではあった。その後、もしかして誰かにすられたのだろうか。しかし、バスの中ですられたのは考えにくい。すったとしたら後ろに乗っていた人しかいないが・・・。
 結局、バスの荷室からトランクを降ろす時に、腹ばいになり中に入り、足から出てくるときに、そのままポケットから出てしまった可能性が一番高いだろうという事になった。
 関空で壊れた事と、初日、それもホテルに入る前だったので、撮っていた写真の枚数もそれ程無いのが救いだろうか。しかし、一眼のフィルムカメラだけではあまりに辛い。連れ合いの励ましもあり、幸いにしてここは台湾だ。新しいデジカメを買う事にした。

 夕飯を食べがてらデジカメを探すことにして、取りあえずすぐ横にある台北101へ向かうことにした。雨が降っていたが、ガイドブックによると、グランド・ハイアットから直接いけると書いてあったので、てっきり連絡通路があるんだと思っていた。ロビーで係員に聞くと、玄関から出て右との話だったので、ちょっと首をかしげながら言われた方へ。玄関を出ると右側にあるホテルのひさしの下を歩いていくと台北101への屋根付きの歩道橋が。雨には濡れずに行けるようだ。

 歩道橋を渡っていると、台北101の別の出口からさらに向こうの建物に歩道橋が続いており、そちらの建物にはVAIOやインテル等の広告がかかっていた。あそこに行けばあるかも、と101を横切ってそちらの建物へ。歩道橋から2階へ入ると、子ども服等の日用品が。3階は運動用具や服等、4階に「電子」の文字のある売り場を見つけ、上がってみると、その階全部が「トイザらス」だった。多分、テレビゲーム等のコーナーなんだろう。1階も見て回ったが、結局、無かった。デジカメどころか、広告にあるパソコンも無かった。どうやら壁面は単なる広告スペースのようである。

 台北101の中もブランド品等の高級品店で、デジカメはなさそうなので、一旦ホテルに帰って聞く事にした。しかし、英語がうまく使えず、どうやら近くにある様子なのだが、はっきり場所がわからない。取りあえず、言われた方向に雨の中、歩いていく。地元の商店街をデジカメが売ってそうな店を探しながらブラブラするが、いっこうにない。かわりにたくさんあるのは単車の修理屋だった。まあ、びっくりするくらい、単車(殆どがスクーター)が走っている。

 デジカメが無くならなかったら、絶対に歩かないような地元の商店街をうろうろしながら、結構な時間をうろうろしたが、結局、見つからなかった。まあ、おかげでこの近所の事はよくわかったが。

 もう時間はもう20時前だ。デジカメを買いに行くのは明日、仕切り直してという事で、台北101のフードコートへ夕食を食べに行くことにした。

 さすがに新しいビルである。フードコートも綺麗で、何を食べようか、目移りがする。ラーメンあり、しゃぶしゃぶあり、たこ焼きあり・・・とにかくいろいろある。少々、迷ったが、最終的にラーメンを食べる事にした。ひとつ150元で2人分300元。なかなかおいしかった。

 ホテルでつまむお菓子と、缶ビールを買うと歩道橋を渡りホテルへ。入り口に近づくとすぐにドアマンがドアを開ける。自動ドアではなく、ドアマン、なのである。エレベーターホールに行くまでにも2〜3人に挨拶され、エレベーターに乗る。やっぱり、すごいホテルである。買ったガイドブックには「超豪華ホテル」に分類されている。

 部屋に戻ると、明日の予定を確認する。取りあえずデジカメをゲットするべく、ガイドブックに載っているカメラ店が立ち並ぶという「博愛路照相街」へ行き、その後、マッサージのお店を予約してもらいにJCBプラザへ行く事にした。

 こうして台湾の初日は終わった。




 

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