マインツ


 朝食を食べるとすぐに朝市に出かける。特に狙ってこの日に来た訳ではないが、運がいいようだ。パリのマルシェより人も多く、楽しい雰囲気だ。

 教会の前で行われる朝市。近所の農家が自分の所で取れた野菜等を持ち寄ると言う。



 息子がトマトを買う。さすがにもう、物を買うぐらいはまったく不便は無いようだ。調子に乗ってか、5つも買っていた。




 朝市を一通りひやかすと、お目当てのシャガールのステンドガラスを見に行く。朝市の場所から歩いて15分くらいだ。

 これが噂のステンドグラス。青を基調にした、珍しいものだ。通常、教会のステンドグラスはどちらかと言うと暖色が基調になっている事が多い。ステンドグラスが寒色のためか、室内に使われている柱には赤いレンガが使用されていた。今まで見てきた教会とは少し雰囲気の違う教会だった。


 一通りの観光を済ませると、次の街、ケルンへ向かう。ケルンは人口100万人の、今回たずねるドイツの町の中では一番大きな町だ。アウトバーンを走れば早いだろうが、せっかくなので、ライン川沿いに北上する事にした。ライン川沿いにはいくつもの古城があり、緑の丘とライン川と、その狭間に見える古城が見事な風景を作る。道もよく、非常に快適なドライブになった。

 ライン川沿いに建つ教会。こんな風景が延々と続く。
 途中、リューデスハイムのつぐみ横丁という所で昼食を取り、モーゼル川とライン川が合流する場所を見に行こうとコブレンツによる。このコブレンツでもお祭りをしていて、沢山の屋台が出ていた。思わず屋台を覗いたり、息子が移動遊園地の乗り物に乗ったり、息子といとこに名前の刺繍を入れた帽子を買ったりと思わぬ所で楽しんでしまった。(^^)

 コブレンツを出ると、100万都市のケルンへひた走る。
 ここで、ひとつ、今までに書いていないドイツ事情を。実は今回、どの町も、アウトバーン等から近くに行くまでは簡単なのだが、町に入り、目的の場所に行くのが大変なのだ。アウトバーンから町への流入口は3つくらいあり、東西に走る所は東、中央、西、南北に走る所は北、中央、南にある。しかし、確実にそうかというと、ひとつしかなかったり、中央口が無かったり、端で降りるととんでもなく町まで遠かったりする。だから、200km以上も走ってきて、ようやく町だな〜と思ってからホテルに入るまでは2時間くらいかかったりするのである。
 中世の街並みを生かして作られた道路はとにかくわけがわからない規制ばかりだ。ケルンについて、一度、町の真中の駐車場に車を入れる。インフォメーションに行き、ホテルを取ると、そこからホテルまでの地図を貰って道順を教えてもらう。そして、駐車場からでると・・・・インフォメーションのお兄さんが教えてくれた道路は反対向きの一方通行だった。次の交差点をと思うと3つくらい続けて反対向きの一方通行。やっと曲がった交差点からの道は曲がりくねってどっちに向いているやら分からないうちに超えてはいけない線路を越えていく・・・。一時が万事、街中に入るとこの調子である。アウトバーンへ向かうのは実に簡単で、ちょっと走れば標識が見つかるが、街中の標識はあったり無かったりで、本当に苦労する。また、道が狭いため、どこにでも車を停めて確認するというわけにはいかない。ようやく車を停める事の出来る場所を見つけて地図を片手に車を降りる。一人、綺麗なお姉さんが歩いてきたので(たまたまこの人がきたということで、綺麗なお姉さんに声をかけたのではないですよ。他には誰もいなかったんだから。)、地図を見せて、身振り手振りで「この場所はこの地図 のどこですか?」と聞く。指差して教えてくれたが、見えている所で地図を説明しようとしてくれるが、身振り手振りではなかなかうまく行かない。不意に、「Can you speak English?」と訊かれた。街中で話し掛けてもあまり英語をしゃべる事の出来る人に出会わなかったため、駅などの公共機関でないだめだと勝手に思い込んでいて、この人が英語をしゃべる事が出来るとは思ってもいなかった。後は話が早く、目的のホテルもそこからそんなに遠くなかったため、無事に到着できた。
 このケルンでホテルを探して走っていた時に頭の中をめぐっていたのは、「2度とドイツのドライブ旅行はしないぞ〜」だった。(^^)

 ホテルは実に快適で、インフォメーションのお兄さんが「ここはとても素晴らしいホテルだ」と薦めてくれただけの事はあり、この値段でいいのだろうかというような所で、明日の街中観光を楽しみにベッドに入った。



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