勤続21年目の今年、会社にいる間、ただ一度の長期休暇のチャンスがやってきた。1ヶ月以上に及ぶ休みは健康な限り、もう2度と無いだろう。何年も前からどこに行こうか悩んでいたが、僕が一番行きたい国、スイスを中心にプランを組むことにした。スイスのグリンデルワルトにある日本語観光案内所のウエーブサイトをたずねたのがこのプランを組む最初の行動であった。12月に初めての質問メールを出し、スイスの情報を集める事から始まり、1月に日本で取引のある旅行会社を教えてもらって、その内のひとつ、ワールドエクスプレスという会社にメールを送って(ウエーブサイトは持っていない会社だった)、相談に乗ってもらった。
メールの交換は前出の2カ所に加え、ルフトハンザ・JCB・My Bus社等、ゆうに70通を超え、結構、細かいところまで調べてもらった。例えばスイスで、宿泊地を決めるにあたり行きたい観光地がそこから日帰りが可能かと言った事を質問すると、電車の時刻や乗り継ぎ等、日本では手に入らない情報を調べて答えてくれる。日本だと「多分・・・」しか返答が返ってこないような事でも確実な返答がもらえたので、ずいぶん助かった。改めてインターネットの便利さを実感した。特によかったのは、日時等、数字を扱うもの等は特に確実に伝わるという事である。今回も見積もりをしてもらう中で何度も移動日やホテルの料金等、問い合わせや変更、果ては飛行機のフライトの追加、国際列車の予約に至るまで様々な数字が行き来したが、ただの一度も間違いは無かった。
利用する航空会社、ルフトハンザの突然の値上げや、細かく列車の時刻を調べていくとプランを立てていたフライトには間に合わないことが判明してフライトの変更をしたりといろいろあったが、とりあえず、出発の日を迎えた。パソコン上で処理できる仕事はいざとなれば持って行けるという気もあり、事務所での仕事を優先させ、枠いっぱいの時間外をしながら、完全に済まないまでも新しくきた係長と同僚に「あと、お願い!」と言えるところまではこぎつけた。最後の金曜日は係長と二人、他に誰もいない事務所で仕事の引継ぎをした。前回同様、QCだけは持っていくことになってしまったが。しかも前回は最後の方だけに対して、今回はほとんど残っている。
一人で行動する期間がある海外旅行はこれが初めてである。仕事の事だけでなく、いろいろな不安を抱えながら、果たしてどんな道中になるであろうか。